こちら1850-60年代 フランス製アーティストリネンスモックになります。

19世紀中期と、皆さん同様、私もこれを見つけた際には思わず目が点になりました。
いやはやこんなものが存在するのかと...

ますアーティストスモックについて。
用途としては、当時の貴族階級に仕えていたアーティスト、つまりこの時期で言うところの画家の方が、絵の具がジャケット等の服に飛び散らないよう、服の上から着用されていたものになります。

そのため同時期のスモックと比較しても、基本的に着丈が長く、そして身幅が大きく取られていることに加え、この当時の画家は貴族をパトロンとしているため、当然仕立てが非常に良い個体と出くわすことが多いです。

しかしこの使い途故に、ある程度汚れたらすぐに捨てられてしまうため、なかなか市場に出回ることのない大変希少なアイテムとなります。

そんなアーティストリネンスモックですが、こちらはその中でも大変古い個体。

1850-1900年代あたりに使用されていた麦や豆を保管、運搬するためのリネンサックのヘリンボーン生地に非常に酷似しており、明らかに一目で年代の深さを直感させるような、凄まじい雰囲気の生地を採用しております。

ディーラーさんのストックルームでこちらを拝見させて頂いた際、一発で”アーティストリネンスモックだ”と気付かせてくれるような、調和の取れた素晴らしいバランス、そしてシルエットを備えた個体。

またアーティストが使用されていたことも伺えるような、全体的に散りばめられた絵の具の数々も、もはやデザインに昇華しており、観る者が明らかに只物じゃないと一瞥で説得させるに足る風格。

余談ですが1850年代と言えば、かのナポレオン・ボナパルトがフランス皇帝ナポレオン3世に即位、フランス第二帝政が成立した年。

また当時の画家はというと、"落穂拾い"で有名なジャン=フランソワ・ミレーをはじめ、ギュスターヴ・クールベにギュスターヴ・モローと、写実主義から印象主義へと移り変わる、芸術の歴史においても大きな転換点となる時代のもの。

そんな時代のアイテムですから、もしかしたらこの1着はその当時のあの画家が着ていたものかも、と想像を膨らませて袖を通すのも、これほど長い年月を生き抜いた1着でないと感じられない楽しみだと、私は思います。



・condition
画像をご確認下さい。


・model, instagram @from_antique
身長175cm体重60kg普通体型


・size, measurement
肩幅60身幅89着丈111袖丈57


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